失業手当の対象者チェック!会社都合・自己都合で異なる受給条件を徹底比較

退職のミカタ

失業手当の受給資格があるか不安な方、この記事を読めば疑問が解消されます。会社都合・自己都合といった離職理由の違いによって、失業手当の受給条件がどのように変わるのかを分かりやすく解説します。

雇用保険の加入期間、受給額の計算方法、受給期間の長さなど、知っておくべき情報を網羅的にまとめています。さらに、特定受給資格者や特定理由離職者といった、会社都合離職で有利になる制度についても詳しく説明します。

自己都合退職の場合でも、受給期間が延長されるケースについても言及しているので、ご自身の状況に合った情報が必ず見つかります。この記事を通して、失業手当に関する正しい知識を身につけて、安心して次のステップへ進んでいきましょう。

目次

失業手当とは?

失業手当とは、会社を辞めた後、次の仕事を探す活動をしている期間に、生活を支えるための給付金です。正式名称は「求職者給付」といいます。 働く意思と能力があるにもかかわらず、失業状態にある人を経済的に支援し、再就職を促進することを目的としています。雇用保険制度の一部であり、雇用保険に加入していた期間や離職理由など、一定の条件を満たすことで受給できます。失業手当は、生活の安定を図るだけでなく、積極的に求職活動を行うための資金としても活用できます。

失業手当の正式名称と目的

失業手当の正式名称は「求職者給付」です。この名称には、単に失業状態にある人を支援するだけでなく、積極的に求職活動を行う人を応援するという目的が込められています。求職者給付の目的は、失業中の生活を保障するだけでなく、再就職を支援することです。そのため、受給者は積極的に求職活動を行い、早期の再就職を目指さなければなりません。再就職に向けた支援として、ハローワークでは職業相談や職業訓練などのサービスを提供しています。これらのサービスを活用することで、よりスムーズに再就職活動を進めることができます。

失業手当を受け取るための基本的な流れ

失業手当を受け取るためには、いくつかの手続きが必要です。大まかな流れは以下の通りです。

手順内容
1. 離職票の入手退職した会社から離職票を受け取ります。これは失業手当を受給するための重要な書類です。
2. ハローワークへの求職の申し込み住んでいる地域のハローワークに行き、求職の申し込みを行います。この際に、離職票や身分証明書などが必要になります。
3. 受給資格決定ハローワークで受給資格の審査が行われます。雇用保険の加入期間や離職理由などが審査対象となります。
4. 受給説明会への参加受給資格が認められると、受給説明会に参加する必要があります。説明会では、失業手当の受給方法や求職活動の方法などが説明されます。
5. 求職活動の実施と失業の認定求職活動を行い、定期的にハローワークで失業の認定を受けます。求職活動の実績を報告し、引き続き求職活動を行う意思があることを確認します。
6. 失業手当の受給失業の認定が受けられると、指定された口座に失業手当が振り込まれます。

失業手当の対象者となるための条件

失業手当を受給するためには、いくつかの条件を満たす必要があります。これらの条件を満たしていない場合、失業手当を受給することはできません。主な条件は以下の通りです。

雇用保険加入期間の要件

失業手当を受給するには、一定期間以上、雇用保険に加入している必要があります。加入期間は、被保険者の種類によって異なります。

一般被保険者と短期雇用特例被保険者の違い

雇用保険の被保険者には、一般被保険者と短期雇用特例被保険者の2種類があります。それぞれ必要な雇用保険の加入期間が異なります。

被保険者雇用保険加入期間
一般被保険者離職の日以前2年間のうち、12か月以上雇用保険に加入していること
短期雇用特例被保険者離職の日以前1年間のうち、6か月以上雇用保険に加入していること

離職理由の要件

失業手当(基本手当)を受給するには、離職理由にかかわらず、一定の要件(雇用保険の加入期間や求職活動の意思があることなど)を満たす必要があります。 そのうえで、離職理由によって給付の条件が異なります。

「特定受給資格者」(会社都合退職など)に該当する場合、給付制限なしで早期に失業手当を受給できます。
「特定理由離職者」(正当な理由のある自己都合退職など)に該当する場合、3ヶ月の給付制限が免除されることがあります。
自己都合退職でも、特定理由離職者に該当すれば有利な条件で受給できる場合があります。 具体的な該当要件については、ハローワークで確認することをおすすめします。

求職活動の実施

失業手当を受給するには、積極的に求職活動を行う必要があります。ハローワークへの求職申込み、求人への応募、面接など、具体的な求職活動が必要です。求職活動の実績は、失業認定申告書に記入し、ハローワークに提出する必要があります。

就職の意思と能力があること

失業手当を受給するには、就職の意思と能力があることが必要です。就職の意思とは、積極的に就職しようとする意欲のことです。就職の能力とは、年齢、健康状態、経験、技能などを考慮して、就職することが可能であることです。病気やケガなどで就労が困難な場合は、受給できない場合があります。

職業訓練受講中の場合

職業訓練を受講している場合でも、一定の条件を満たせば失業手当を受給できます。受講している職業訓練が公共職業訓練であること、ハローワークに求職の申し込みをしていることなどが条件となります。訓練期間中は、求職活動の実績が免除される場合もあります。

会社都合と自己都合で異なる失業手当の受給条件

失業手当の受給資格を得るためには、離職理由が重要な要素となります。大きく分けて会社都合と自己都合の2種類があり、それぞれで受給までの条件や給金の開始時期、給付日数が異なります。どちらに該当するかは、ハローワークで判断されます。

会社都合の場合の受給条件

会社都合とは、労働者の意思に関わらず、会社側の都合により退職を余儀なくされた場合を指します。具体的には、倒産や解雇、契約期間満了などが該当します。会社都合の場合、待期期間(給付制限期間)が7日間と比較的短く、すぐに失業手当の受給が開始されます。

特定受給資格者とは

特定受給資格者とは、倒産、解雇など、会社側の都合によって離職した人のことです。会社都合の中でもさらに手厚く保護される対象者で、自己都合退職に比べて給付日数が長くなります。

特定理由離職者とは

特定理由離職者とは、次のいずれかの理由で離職した人のことを指します。特定受給資格者と同様に、自己都合退職に比べて給付日数が長くなります

  • 結婚、妊娠、出産、育児、介護などを理由とした離職
  • 体力の不足、心身の障害、病気、けがなどによる離職
  • 通勤困難となったことによる離職(転勤など)
  • ハラスメントやいじめなどによる離職

自己都合の場合の受給条件

自己都合とは、労働者自身の都合により退職した場合を指します。例えば、転職や結婚、引っ越しなどが該当します。自己都合の場合、待期期間が3ヶ月と会社都合よりも長く、受給開始までに時間がかかります。

自己都合でも受給期間が延長されるケース

自己都合退職の場合でも、特定の条件を満たすと、受給期間が延長されるケースがあります。主な例としては以下のようなものがあります。

ケース内容
会社都合に近い自己都合退職会社側の責任による退職勧奨や、職場環境の悪化などが該当します。
正当な理由のある自己都合退職結婚、妊娠、出産、育児、介護などを理由とした離職が該当します。
3年以上同一企業に勤続していた場合勤続年数が長いほど、再就職が困難になる可能性が高いため、受給期間が延長されます。
45歳以上で雇用保険の被保険者期間が通算1年以上ある場合中高年者の再就職支援の観点から、受給期間が延長されます。
職業訓練を受講する場合スキルアップを目的とした職業訓練を受講する場合、訓練期間に応じて受給期間が延長されます。ハローワークが指定する公共職業訓練の他、求職者支援訓練も対象です。

これらのケースに該当するかどうかは、ハローワークで個別に判断されます。

失業手当の受給額と受給期間

失業手当の受給額と受給期間は、被保険者期間や離職理由、年齢、賃金などによって異なります。 しっかりと計算方法を理解し、受給期間中にどのように生活していくかを計画しましょう。

失業手当の受給額の計算方法

失業手当の受給額は、離職前の6ヶ月間の賃金を基に計算されます。この賃金を「賃金日額」といいます。

賃金日額の計算方法は以下のとおりです。

  1. 離職前6ヶ月間の賃金の合計を180で割る
  2. 算出された金額を「賃金日額」とする

失業手当の日額は、この賃金日額をもとに計算されます。年齢や賃金日額によって、給付率が50%~80%の範囲で変動します。

会社都合と自己都合で異なる受給期間

失業手当の受給期間は、離職理由(会社都合か自己都合か)、雇用保険の被保険者期間、年齢によって異なります

離職理由被保険者期間年齢受給期間
会社都合(特定受給資格者、特定理由離職者以外)10年以上60~64歳300日
会社都合(特定受給資格者、特定理由離職者以外)10年以上65歳未満300日
会社都合(特定受給資格者、特定理由離職者以外)5年以上10年未満65歳未満240日
会社都合(特定受給資格者、特定理由離職者以外)1年以上5年未満65歳未満180日
会社都合(特定受給資格者、特定理由離職者以外)6ヶ月以上1年未満65歳未満120日
会社都合(特定受給資格者)問わず問わず330日
会社都合(特定理由離職者)問わず問わず330日~360日
自己都合10年以上65歳未満210日
自己都合5年以上10年未満65歳未満150日
自己都合1年以上5年未満65歳未満90日
自己都合6ヶ月以上1年未満65歳未満90日

自己都合の場合、受給開始日が3ヶ月後となる「給付制限」があります。ただし、特定の理由に該当する場合は、給付制限が短縮または免除される場合があります。

また、受給期間中に再就職が決まった場合、残りの日数に応じて「再就職手当」が支給される場合があります。再就職手当の受給条件や支給額については、ハローワークのウェブサイトで確認できます。

よくある質問

失業手当に関するよくある質問とその回答をまとめました。ここに掲載されていない質問がある場合は、お近くのハローワークにお問い合わせください。

失業手当の申請前にアルバイトをしても良い?

はい、可能です。ただし、アルバイトによって得た収入が一定額を超えると、失業手当の支給額が減額されたり、支給対象外となる可能性があります。

失業手当を受給中に病気になったら?

病気やケガで求職活動ができない場合は、傷病手当の受給対象となる場合があります。傷病手当は、失業手当を受給できない期間に、病気やケガの療養のために働くことができない場合に支給される手当です。

失業手当の受給期間中に再就職が決まったら?

再就職が決まった場合は、速やかにハローワークに届け出ることが必要です。再就職日が受給期間内であれば、再就職手当の受給対象となる場合があります。再就職手当は、失業手当の受給資格を有する方が、所定の要件を満たして再就職した場合に支給される手当です。受給条件や手続きについては、ハローワークにお問い合わせください。

失業手当の支給日数はいつから数えるの?

失業手当の支給日数は、離職日の翌日から起算します。ただし、待期期間が設定されているため、実際に失業手当が支給されるのは、離職日から7日後(待期期間満了後)の指定された日となります。

失業手当の金額はどのように計算されるの?

失業手当の金額は、退職前の6ヶ月間の賃金を基に計算されます。計算方法は複雑なので、お近くのハローワークにご確認ください。

副業をしている場合、失業手当はもらえるの?

副業をしている場合でも、主たる収入が失われた場合は失業手当の受給対象となる可能性があります。ただし、副業の収入によっては支給額が減額、または支給対象外となる場合があるので注意が必要です。 具体的な条件はハローワークに確認することをお勧めします。

失業手当を受給中に引っ越しをしたらどうなるの?

失業手当を受給中に引っ越しをする場合は、引っ越し前と引っ越し後のハローワーク両方に届け出る必要があります。住所変更の手続きを怠ると、失業手当の支給が停止される可能性があります。忘れずに手続きを行いましょう。

失業手当の受給期間を延長することはできる?

特定の条件を満たす場合、失業手当の受給期間を延長することができます。例えば、年齢が高い障害がある公共職業訓練を受講しているなどの場合は、受給期間が延長される可能性があります。詳しくはハローワークにお問い合わせください。

失業手当をもらうために必要な手続きは?

失業手当を受給するためには、離職票などの必要書類を揃えてハローワークで手続きを行う必要があります。

求職活動実績とは?どのように証明するの?

求職活動実績とは、仕事を探すために行った活動のことです。ハローワークでの求人検索、企業への応募、面接などが該当します。求職活動実績は、求職活動実績申告書に記入し、ハローワークに提出することで証明します。応募書類の控えや面接の記録なども保管しておきましょう。

失業手当と雇用保険の違いは?

雇用保険は、労働者が失業した際などに生活を保障するための制度です。失業手当は、この雇用保険制度の中で支給される給付金の一つです。つまり、雇用保険に加入している人が一定の条件を満たした場合に、失業手当を受給することができます。

まとめ

この記事では、失業手当の対象者について、会社都合・自己都合それぞれのケースを比較しながら詳しく解説しました。失業手当を受けるには、雇用保険の加入期間、離職理由、求職活動、就職の意思と能力といった条件を満たす必要があります。

会社都合の場合、特定受給資格者や特定理由離職者であれば、自己都合よりも有利な条件で受給できます。自己都合の場合でも、特定の条件を満たせば受給期間が延長されるケースがあります。受給額は、過去の給与を基に計算され、受給期間は会社都合と自己都合で異なります。申請はハローワークまたはオンラインで行い、必要な書類を提出する必要があります。失業手当は、再就職を目指す上で重要な生活の支えとなるため、受給資格がある方は積極的に活用しましょう。

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