「失業手当がもらえないかも…」と不安を抱えていませんか? 失業手当は、生活の支えとなる重要な制度ですが、一定の条件を満たしていないと受給できません。
この記事では、失業手当がもらえないよくあるケースを具体的に解説し、会社都合退職と自己都合退職の違い、特定受給資格者と特定理由離職者の違いなど、受給資格の判断に迷うポイントを分かりやすく説明します。さらに、給付制限や失業の認定など、受給までの流れで注意すべき点も網羅。
受給金額の計算方法、アルバイトとの両立、待機期間中の引っ越しなど、よくある疑問にも答えます。また、万が一失業手当がもらえない場合でも活用できる、職業訓練給付金、生活福祉資金貸付制度、住居確保給付金といった支援制度もご紹介します。
この記事を読めば、失業手当の受給資格の有無が明確になり、スムーズな手続きと生活設計が可能になります。
失業手当とは何か
失業手当とは、勤めていた会社を辞めた後、次の仕事を探す活動をしている期間に生活を支えるための給付金です。正式には「求職者給付」と呼ばれ、雇用保険制度の一環として支給されます。雇用保険に加入していた期間や、退職の理由などによって受給資格や給付額、給付日数が異なります。
失業手当の目的
失業手当の主な目的は、失業中の生活の安定を図り、再就職活動を支援することです。失業によって収入が途絶えると、生活に大きな支障が出ます。失業手当はこの困難を軽減し、求職活動に専念できる環境を整えることで、早期の再就職を促すことを目的としています。また、失業手当は経済の安定にも貢献します。失業者の購買力を維持することで、景気の悪化を抑制する効果も期待されています。
失業手当がもらえないよくあるケース
失業手当は、求職活動を行う際に生活を支えるための重要な制度ですが、すべての人が受給できるわけではありません。以下では、失業手当がもらえないよくあるケースを詳しく解説します。
自己都合退職の場合
自己都合退職の場合、原則として失業手当はすぐに受給できません。 2ヶ月の給付制限期間が設けられており、この期間が経過した後、積極的に求職活動を行っていることが確認された場合に初めて受給資格が得られます。給付制限期間中は、ハローワークで求職活動の実績を積み重ねることが重要です。
会社都合退職とみなされるケース
自己都合退職であっても、以下の場合は会社都合退職とみなされ、給付制限期間が短縮または免除される場合があります。
- 倒産・解雇
- 賃金不払い
- パワハラ・セクハラ
- 労働条件の著しい悪化
- 結婚・出産・育児・介護
- 通勤困難
- 健康上の理由
これらのケースに該当する場合は、ハローワークに相談し、必要な書類を提出することで会社都合退職として認められる可能性があります。
会社都合退職の場合でももらえないケース
会社都合退職の場合でも、以下のケースでは失業手当がもらえない場合があります。
- 懲戒解雇
- 就業規則違反による解雇
- 試用期間中の解雇(正当な理由がない場合を除く)
これらのケースでは、会社側の責任ではなく、労働者側の責任が重いものとして扱われます。
特定受給資格者と特定理由離職者の違い
特定受給資格者と特定理由離職者は、どちらも会社都合退職者に準じた扱いを受けますが、給付日数や給付制限の有無に違いがあります。
特定受給資格者 | 特定理由離職者 | |
---|---|---|
給付日数 | 基本手当日数 + 特例加算日数 | 基本手当日数 + 特例加算日数 |
給付制限 | なし | 原則として7日間(待期期間) |
主な対象者 | 倒産、解雇など | 結婚、出産、育児、介護、通勤困難、健康上の理由など |
詳しくはハローワークのウェブサイトをご覧ください。
給付制限期間について
自己都合退職の場合、原則として2ヶ月の給付制限期間があります。この期間は、すぐに失業手当を受給できない期間です。ただし、特定理由離職者に該当する場合は、待期期間の7日間を除き、給付制限はありません。また、自己都合退職であっても、積極的に求職活動を行っている場合は、給付制限期間が短縮される場合があります。
失業の認定を受けられない場合
失業の認定を受けるためには、ハローワークに定期的に通い、求職活動の実績を報告する必要があります。正当な理由なく求職活動を行っていない場合や、ハローワークの指示に従わない場合は、失業の認定を受けられず、失業手当を受給できません。また、就職が決まったにも関わらず、ハローワークに報告しなかった場合も、不正受給として扱われ、受給した失業手当の返還を求められる場合があります。詳しくはハローワークのウェブサイトをご覧ください。
失業手当に関するよくある質問
失業手当に関するよくある質問とその回答をまとめました。疑問を解消し、スムーズな手続きを進めるためにお役立てください。
失業手当の金額はどのように計算される?
失業手当の日額は、離職前6ヶ月間の賃金総額を180で割って算出した額を基に決定されます。これを「賃金日額」といいます。賃金日額に基づき、以下の計算式で失業手当の日額が決定されます。
賃金日額 | 失業手当の日額 |
---|---|
6,230円未満 | 賃金日額の80% |
6,230円以上~11,610円未満 | 4,984円 + (賃金日額 – 6,230円) × 60% |
11,610円以上~19,350円未満 | 8,280円 + (賃金日額 – 11,610円) × 50% |
19,350円以上 | 12,150円 + (賃金日額 – 19,350円) × 40% |
年齢や扶養家族の有無によって金額が変わることはありません。より詳しい計算方法や上限額については、厚生労働省のウェブサイトをご確認ください。
失業手当はいつまでもらえる?
失業手当の受給期間は、被保険者期間や年齢、離職理由によって異なります。一般的には、離職理由が自己都合の場合、2ヶ月の給付制限期間後に90日間(3ヶ月)、会社都合や特定受給資格者の場合は、給付制限期間はなく、最長150日間(5ヶ月)から330日間(11ヶ月)となっています。具体的な受給期間は、ハローワークで確認できます。
アルバイトをしながら失業手当をもらうことはできる?
アルバイトをしながら失業手当を受給することは可能です。ただし、週20時間以上働いている場合は、失業状態とはみなされず、失業手当は支給されません。週20時間未満のアルバイトであっても、収入によっては失業手当が減額される場合があります。この減額は「所得控除」と呼ばれ、日額が一定額を超えると、超えた額の2分の1が失業手当から差し引かれます。
待機期間中に引っ越しをする場合は?
待機期間中に引っ越しをする場合は、必ず引っ越し先の管轄ハローワークに住所変更の届出を行ってください。届出を怠ると、失業手当の受給に影響が出る可能性があります。届出の際には、新しい住所が確認できる書類(住民票など)が必要となります。また、引っ越しによって求職活動の範囲が変わる場合は、ハローワークの担当者と相談し、求職活動計画を見直す必要があるかもしれません。詳しくはハローワークのQ&Aを参照ください。
失業手当がもらえない人を支援する制度
失業手当の受給資格を満たしていない、あるいは受給期間が終了してしまった場合でも、生活に困窮する人を支援するための様々な制度が存在します。状況に応じて活用できる制度を理解し、適切な支援を受けることが重要です.
職業訓練給付金
失業中にスキルアップやキャリアチェンジを目指して職業訓練を受ける場合、職業訓練給付金が支給される場合があります。訓練期間中の生活費の負担を軽減し、再就職を支援するための制度です。対象となる訓練の種類や受給条件は、ハローワークで確認できます。
職業訓練給付金には、「公共職業訓練」と「求職者支援訓練」の2種類があります。公共職業訓練は都道府県などが実施する訓練で、求職者支援訓練は民間事業者が行う訓練です。それぞれ対象者や支給額が異なるため、自分に合った訓練を選択することが重要です。
生活福祉資金貸付制度
低所得世帯や障害者世帯、高齢者世帯などを対象に、生活費や住宅の改修費用などを低金利で貸し付ける制度です。失業によって収入が途絶えた場合、この制度を利用して生活費を確保することができます。貸付の種類は用途によって様々なので、必要な資金の種類に応じて適切なものを選ぶ必要があります。
生活福祉資金貸付制度には、「総合支援資金」、「福祉資金」、「教育支援資金」、「不動産担保型生活資金」の4種類があります。それぞれ貸付対象者や貸付条件が異なるので、事前に確認することが重要です。
詳しくは独立行政法人福祉医療機構のウェブサイトをご覧ください。
住居確保給付金
離職などにより経済的に困窮し、住居を失うおそれのある方を対象に、家賃相当額を支給する制度です。一定の要件を満たすことで、一定期間、家賃の支払いを支援してもらえます。住居を失うことで生活基盤が崩れるのを防ぎ、再就職に向けた活動に専念できるよう支援することを目的としています。
支給額や支給期間には上限があり、住居の所在地や世帯構成によって金額が異なります。また、受給するためには、ハローワークで求職活動を行うなどの要件を満たす必要があります。詳しくは厚生労働省のウェブサイトをご覧ください。
その他の支援制度
上記以外にも、各自治体独自の支援制度や、NPO法人などが提供する支援サービスなどがあります。お住まいの自治体の窓口や、ハローワークに相談することで、利用できる制度の情報を得ることができます。
制度名 | 概要 | 対象者 | 問い合わせ先 |
---|---|---|---|
生活保護 | 生活に困窮する世帯に対し、健康で文化的な最低限度の生活を保障する制度 | 収入が最低生活費に満たない世帯 | お住まいの自治体の福祉事務所 |
母子父子寡婦福祉資金貸付金 | 母子家庭、父子家庭、寡婦に対し、就学や就職のための資金を貸し付ける制度 | 母子家庭、父子家庭、寡婦 | お住まいの自治体の福祉事務所 |
就労支援 | ハローワークによる職業紹介や、就労支援機関による個別相談、訓練などを提供 | 求職者 | ハローワーク、就労支援機関 |
これらの制度を有効に活用することで、失業中の生活を支え、一日も早い再就職を目指しましょう。
まとめ
この記事では、失業手当がもらえないよくあるケースと、受給するための具体的な方法について解説しました。失業手当は、失業中の生活を支えるための重要な制度ですが、一定の条件を満たす必要があります。自己都合退職の場合、原則として給付制限期間が設けられますが、会社都合退職とみなされるケースもあります。
また、会社都合退職の場合でも、正当な理由なく退職した場合などは受給できない場合があります。特定受給資格者と特定理由離職者の違いや、給付制限期間についても理解しておくことが重要です。
最後に、失業手当がもらえない場合に利用できる支援制度として、職業訓練給付金、生活福祉資金貸付制度、住居確保給付金を紹介しました。これらの制度を活用することで、失業中の生活を乗り越えるためのサポートを受けることができます。失業手当に関する正しい知識を身につけて、適切な手続きを行いましょう。
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